Milk teA KiiS
だから
あたしからの
最後の優しさ
【大好きだよ】
【またね】
言わないでおく
今言ったら
お互いの決意が
台なしだもんね
隼人の帰る場所に
あたしはいない
だってこの先
どんな風に変わるか
誰にも分からない
なら偶然
どこかで会えることに
あたしは賭けてみる
でもこれが
最後の我が儘
【さよなら】
この言葉も
言わないから
だってまた
会える気がする
約束なんか
いらないけど
あたしは柄にもなく
この出会いが
運命だって
信じてるから
「沙羅ちゃん!」
『?』
「ありがとう!」
伝わったのかな
笑った隼人は
あたしに背を向けて
ゲートの向こうに
消えて行った
ありがとう
その言葉は
あたしから
言いたかったな
隼人のおかげで
知った気持ち
好きになる
その思いは凄く
暖かくて
同時に少し
切ない気持ちだった
ねぇ隼人
あたしは最後まで
隼人が好きだった
あたしでいれたかな
『...ッ』
隼人の姿が
見えなくなって
零れた涙
飲み込んだ
好きという気持ちが
今更溢れる
でも良かった
最後にちゃんと
見送ることが出来て
だからこの涙が
最後になれば良い
涙と一緒に
小さな恋が
終わった―