Milk teA KiiS
「ってか
何してんの?」
知ってる声に
振り向けば
立っていたのは
さっきまでナンパに
明け暮れてた隼人
「その子
大事な連れ
なんだよね」
なんかすでに
黒いオーラが隼人を
纏っている気がする
のは多分
気のせいじゃない
「離せよ」
ほら
声がすごい
怖いもん
「あぁ?
んだよてめぇ」
歳的にも体つきも
人数的にもはるかに
隼人は負けてる
なのに
「離せっつってんの
聞こえないわけ?
耳遠いの?」
なんてさも
バカにしてます
って感じで
挑発してるし
いやヤバいでしょ
海岸でこんな人混みで
この雰囲気
「やんのかてめぇ」
男2人が
凄んでも
涼しい顔してる
隼人が
さすがのあたしも
心配になる
隼人に意識をとられ
あたしを掴んでた
手が離れた
「大丈夫?」
その隙を見て
今度は隼人に
手を引っ張られた
『あ.うん
別に平気..』
「そ.良かった」
あたしに
そぅ言う隼人は
いつもみたく
笑ってるけど
男2人に向き直る
隼人はやっぱ
別人みたく
怖い顔してる
あたしは
隼人の背に
守られるよぅに
立ち尽くしていた