♂好き×嫌い♀



もしかして俺の存在自体知らないとか?

富永遥香がずっと黙っているので、そんなこと考えてしまった。


『あれ、俺のこと知らなかった?』

ともう一度聞いた。


『あっ、知ってた。』

これは素直に安心した。
存在知りませんって言われたら、終わりだもんな。


廊下の視線はみんな俺らに集まっていが、そんなこと気にしない。

見たきゃ勝手に見ろ。


『よかった、ちょっと来て』

ま、俺たちはすぐにいなくなるけど。


富永の手を引いて、走って屋上に向かう。



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