♂好き×嫌い♀



気が遠くなりつつ、素直に引かれるあたし。

そして、やっと止まった。

気付くとそこは屋上。

『あぁ〜、うぜぇ』

という声が目の前から。

ん…?
桐谷翔…彼はそんなことを口に出す人だっただろうか。

あたしが知っている桐谷翔は、ニコニコと笑っていて、人に気を使う人だった…

…はずだ。


『えっ…?』

とあたしが声を発した後に彼は振り返った。

『あいつら、人が動く度にわーきゃー言いやがって、マジ迷惑だっつーの』

あいつらってクラスの女子のことかい?

初めて彼女たちに同情した…


可哀想に…桐谷翔はこんな奴だったよ。



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