もう頰杖は、つかない

第二話

第２話
「おっちゃん！ちゃんと手、合わせんといけんよ！お姉ちゃん、怒るでえ！」「うんっ！」この町のも

だいぶ家や商店も増えた。そして、大学病院の姉妹病院が、この町に出来た。この病院には、小児科、
　　　

先天性の病気持った人達用の施設もある。ちえみから、教わった手話を生かして治療したいと、思ってる。

”ポカッ！”げんきが、僕の頭を叩いた。「おっちゃん、もう　話済んだか？早よう、行こう？」

「あ〜、行こう！」緩やかな丘の上に、お墓がある。僕達の街が、見渡せる場所に…。

車の多い中、げんきがゲームするかのように、走り抜ける。その時、一人の女性とぶつかりそうになった。

一瞬、僕は、目を疑った！その人は、まぎれもなくちえみだった。いや、僕にはそう見えた。

胸が、高鳴り。紅潮した。確かめたい！ホントに？どうして？僕は、確かめたくて…、先を急いだ。

「すみません！ちょっと…あの〜！」「…　…　…。」彼女は、迷惑そうに僕を避けようとしていた。

「先を急いでます！」こう言うと、急ぎ足で行った。