もう頰杖は、つかない
第四話
第4話
さとしから、電話が、あった。患者の事だった。さとしは、義足技師である。”偉い”さとしの親父さんが
”シリコン合成技師(!?)なんかよく解からない会社へ、勤めてる。”患者さんの一人、7歳の
女の子の事で、あった。カルテを取り、読み始めた。「名前は、”赤沢さつき。歳は、7歳。○○小学校
1年生。母、ようこ。27歳。○○会社勤務。2年前、事故により右足切断。…。」今度、新しく義足を
作るらしい。初耳だ。自分の担当だ。だが、見たことも聞いた事も、ない。んっー、情けない。忘れてるのか?
実は、新米なので、教えて貰ってないのである。先輩に、事情を聞きその後、さとしと病院のキッサで、話した。
その子の事が、頭から離れず、上の空で相槌をして、席を立った。そうそうに、リハビリセンターに向かい、この子
を、探した。義足を交換していた。「何か、何かおかしいよう!かゆい!何だか、かゆいよう!」「おっかしいなあ
ちゃんと削って、綺麗に拭いたのになあ〜。もう少し、時間下さい。やり直してきます。」「はいっ」先輩は
そう告げると、足早に消えた。僕も直、後を追いセンターを、出ようとした。その時…
そこに、君が…居た。
春、見かけた君が、居た。