material girl


あたしが電話を終えて、ペーパーワークに追われてた時、数人の駆け出しのスタイリスト、あたしの上司で美香さんの部下が、あたしの横を通るときに聞こえよがしに言った。

「っていうか、聞いた?新人が仕事もらったらしいよ、あたしらでもまだなのにっ!」

「知ってるー!何でもコネらしいじゃない?知り合いがミュージシャン?なんかせっこーい。」

「ホントー、真面目に下から頑張って登りつめてるあたし達がバカみたいっていうかぁ。なんかこの会社に入ったのも社長のコネらしいじゃん?プライドとかないのかねぇ。」

「あー、やだやだ、見た目がいいからって、なんか気取ってるしさぁ。頭空っぽのくせに?」

「言えてるー!航輝クンでさえ雑用やってんのに、実力もないバカが仕事貰えるってどーなのよ?」

「やめといたほうがいーんじゃなーい?」

「忍成さんに迷惑かけるだけじゃん?」

「だよねー!」


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