material girl


「ダンってばー、ザックの名前出すとすぐ不機嫌になるんだから。」

ママはパパのことを今だに名前で呼ぶ。

ラブラブ夫婦って言うんですかね、うちみたいな家庭のこと。

ちょっとうざいんだけど。

「別に。不機嫌になんてなってないし。」

って言いながら、明らかに不機嫌だから、パパ…

「ってか何で不機嫌になるわけ?ザックはパパのいとこでしょ?」

あたしが言うと、少し言いにくそうにパパはママを見る。

「昔ねー、ママ、ザックのこと好きでさ。ちょっとだけだけど付き合ってたの♪」

ママが懐かしそうに言う。

「マジっ!?母さんやるじゃんっ!おじさん、男のオレから見ても超かっけぇし。あー、あんなお父さん欲しかったなぁ。」

レオの言葉に、パパが結構本気でへこんでる。

へぇ、ママとザックおじさんがねぇ…。

あたし達子供の知らない過去があるってわけか。


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