material girl
「お、航輝の電車来たじゃん☆じゃ、また明日。月曜ってだるいよねー、また一週間あの忙しさが来ると思うと。」
笑って言ったあたしに、今日初めて航輝が笑顔を見せた。
出会って初めて見せた本当の航輝の笑顔かもしれない。
「だな。じゃ、また明日。これ以上兄貴のことで悩むなよなっ!マジお前ウソ下手だし、イメージ違いすぎだし。」
頭をクシャクシャってされた。
そして、最後に彼が言った
「でも、お前がそんなヤツで良かったよ。」
にって笑って、右手を差し出す彼。
「これからは、同僚として、よろしくお願いします、リサさん。」
何故か涙があふれて、恥ずかしくてあたしはそっぽを向きながら、右手を握り、握手を交わした。
「泣いてるし(笑)」
「…泣いてねーよ。」
強がりを言うあたしの頭をポンポンってなでて、彼は電車に乗り込んだ。
ホームに残されたあたしは、電車を待ちながら、一人泣いた。