material girl


まさか自分がサトシに惚れるなんて、思ってもみなかったから。彼は当時21で、中学生のあたしからしたら、すごく大人って感じだった。別世界の人っていうか。でも、サトシと一緒にいる時間は、とても居心地が良くて、まだ日本に誰も友達もいなかったから、あたしはサトシに甘えすぎてたのかもしれない。サトシは面倒みが良くて、最初は妹みたいに可愛がってくれてたの。それが始まりかな。」

懐かしい思い出が、よみがえる。

もう忘れたと思っていた。

思い出したくても、思い出せなかった、あの頃のサトシの表情が、今は目の前にいるかのように思い出してる。

不思議だ。

言葉にしただけなのに、あの頃の情景がまるで映画のように頭でながれる。

消えてなかった記憶に、安心する。


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