material girl
何故か警備員さんに車のカギを渡し、その場にとり残される忍成とあたし。
「あのぉ、あたし帰り…っ!」
そう言いかけた瞬間に、忍成が吐いた。
その場にうずくまるやつ。
マジ勘弁なんですけどぉーっ!!
とりあえず、さっきの警備員さんが気づいて来てくれる。
「ここは私が片付けておくんで、大丈夫です。忍成様の部屋はご存知ですか?」
「いえ。」
「では、誠に申し訳ないのですが、彼を部屋まで連れてってもらってもよろしいでしょうか?最上階の305号室ですので。」
この状況でNOと言えるやつはそうそういないだろう。
しょうがないので、あたしはやつを連れて行くことにした。
「分かりました、ありがとうございます。なんか慣れてるみたいですね。コイツ、いっつもこんな迷惑かけてんですか?」