material girl


何でもないかのように、まるで他人ごとのように言って、また朝食に手をのばす彼。

それ以上は、何も聞けなかった。

「ごめんね?ゲイじゃなくて☆」

忍成が冗談で言う。

この人は、まだその奥さんを愛しているのだろうか。

なんだか胸が少し痛む。

それをかき消すように、あたしは冗談を返す。

「っていうか、ホントはバイなんじゃないんですか?奥さんと別れた原因もソレとか♪」

「ははっ。かもね♪」

そう言って笑う彼の笑顔は、なんだか切なかった。


どうして、あたしにそんな顔見せるの?

仕事場での彼は完璧に内面を見せないのに。

これ以上関わったら、知れば知るほどヤバい気がする。

怖い…


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