material girl


「いらっしゃいませ。」

店員さんが、みんな一列に並んで、出迎えてくれる。

「っていうか、貸し切り!!?」

そう、あたし達以外、客が見あたらなくて、あたしはびっくりした声を上げてしまった。

「ははっ。まぁね。今から2時間だけだけど、貸し切りで予約してたんだ。」

忍成の言葉に唖然としてしまうあたし。

前の奥さんは、なぜこんな完璧な人と別れてしまったんだろう?

まぁ変わった人だし、何考えてんのか分かんない感じだけど、ちゃんと奥さんの事大事にしてたのは分かる。

こんなに凝った演出されたら、女の子なら感動もんだよ。

あたしでいいのかな。

ホントは、ここに奥さんと息子さんがいるべきなんじゃ…


「こちらへどうぞ☆」

ウェイターさんの声で我に帰り、慌てて席に着くあたし。


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