material girl
「…レオに諭される日が来るなんて。」
あたしが冗談っぽくそう言って、落ち込むフリをしたから、レオが笑う。
「ははっ。ねぇちゃんもまだまだってことだねぇ。遊んでばっかいっから。」
「あんたにだけは言われたくないわ。」
「はは。」
「…ありがと。」
「ん」
小さな声で少し照れながら言った言葉に、レオも無愛想に返事を返す。
あたしを励ます為に、自分の話ししてくれたんだと思うんだ。
マジな話しは苦手なの、昔からだもん。
あたしとよく似てるから。
「じゃ、オレもー寝るわ。もう3時まわってるし。」
帰ってきたのが遅かったからか、気がついたらもう夜中の3時を過ぎていた。
「あたしも明日仕事だし、寝なきゃ。お休み。」
「good night」
「sweet dreams☆」
今日の大人びたレオをからかうように、小さな子に言うように"いい夢見てね"って言ったら、レオは笑って「アホ」って言って、去って行った。
レオのおかげで、少し気持ちが軽くなった気がする。
まだ好きでいていいの?
迷惑はかけないから。
彼女になりたいなんて望まないから。