material girl


「っていうか、多分もう見たことあんじゃない?」

「えぇっ!?ウソ、いつ?」

由梨が今ここにいるんじゃないかって感じで、キョロキョロあたりを見回す。

「…忍成俊介って知らない?」

「うそっ!!?」

あたしの言葉に由梨が飲んでたコーヒーカップを落としそうになる。

「忍成って、最近超美人モデルの恋人がいるとかって話題じゃんっ!あれってもしや…」

「そ。実際は恋人でも何でもないですけど。」

あたしを指差す由梨に、あたしはため息まじりに答えた。


「…さすがリサ。男のレベルも半端じゃないわ。」

一人で頷きながら納得してる由梨。


「えー、でもあんたの話しからするとさぁ、やっぱゲイだからふったんじゃない?前の奥さんともゲイってこと隠して結婚して子供まで作ってみたもののさ、やっぱ本当の自分は偽れない、ごめん、みたいなんで離婚したとか。うん、絶対そう!これは諦めたほうがいいかもね。世の中、どーにも出来ない事ってあるもんよ。」

由梨が涼しい顔して言う。

「そんなぁ。」

あたしらしくもない情けない声が出る。

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