material girl
「何これ…」
あまりにもデタラメな記事に、あたしは唖然としてしまった。
こんな記事が出てしまったら、あたしが何の為に付き合ってたふりしてたのか分からない。
忍成の人気が落ちていくのが目に見える気がする。
「リサ、大丈夫?」
「由梨、ごめん。あたし行かなきゃ。」
「行くって、どこへ?」
「決まってんじゃん、この意味分かんない記事書いたとこっ!!」
そう言って走り出そうとしたあたしを、由梨が止める。
「行ってどーすんの?あんたも写真撮られて、面白おかしく書かれて、次の週にはこの雑誌の表紙飾ってたいわけ?もっと冷静になんなよ、気持ちは分かるけどさ。ホント昔から不器用だよね。」
「…でも。」
「任せてよ、あたしにいい考えがあんの。あたしの人脈、なめんなって☆」
由梨が意味あり気に笑った。