material girl


「あ、社長!どおです、この子?次の特集の子なんですけど、イメージ以上じゃないですか?」

真希さんがちょうどコーヒーを飲んで座っていた少しぽっちゃりとした中年のおじさんに声をかけた。

「おー、いい子見つけてきたじゃないかっ!どこのモデル事務所の子だ?」

「それが、どこにも所属してない掘り出し物なんです♪」

「ほぉ、真希やるじゃないか。よし、次の特集は彼女で決まりだ!」

本人目の前にして、この人達は遠慮もなくこんな会話を繰り広げる。

中年のおじさんがメガネをかけながらもう一度あたしを眺めた。

「ありがとうございます☆そこでお願いなんですけど、特集のインタビュー記事、あたしに任せてもらえないでしょうか?」

真希さんの言葉に、あたしに落としていた視線を真希さんに向け、少し考える素振りをする社長と呼ばれたおじさん。

「…分かった。任せるよ、読者に年齢も一番近い君なら女心ってヤツも一番分かるかもしれんしな。」

社長はそう言ってまたコーヒーをすすった。


なんだかとんでもない展開になってきた気がするんですけど。


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