material girl


「真希さん、リサちゃん、準備できた?入るよ?」

ドアをノックする音と共に和真さんの声がして、あたし達の会話は必然的に中断された。

「うん、やっぱ忍成さんはスゴいや。めちゃくちゃ綺麗だよ、リサちゃん☆」

和真さんがそういつもモデルさんに言うみたいにあたしに言って笑顔をくれる。

でもちゃんと心からの言葉だって分かるから、嬉しい気持ちが広がる。

「真希さん、旦那さん来たよ。」

「ありがとう。じゃあカメラマンもそろったコトだし、早速撮影始めましょうか♪」

真希さんと和真さんのやりとりに、またあたしは少し混乱する。

「え?真希さんの新しい旦那さんって…カメラマンっ!?」

「えぇ。そうよ☆」

ってか、やっぱあの忍成俊介の妻だっただけあるっていうか、この人も自由人すぎじゃない?

元旦那と今旦那ですよ!?

一緒に仕事しちゃうって、どーなのよ?

「大丈夫、今の旦那はホントに素敵な人なの。仕事に私情は持ち込まないから☆」

あたしの表情を読んでそうイタズラっぽく言う真希さんに、ただただ唖然としてしまう。


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