material girl
「…航輝クン、可哀想。」
彼女がボソッと言ったその言葉に、あたしは少しイラっとした。
「ってか、好きって何?昨日会って、好きも嫌いもなくね?彼だってさ、あたしに会ったのは昨日が初めてだったわけだし、要はあたしの見た目"だけ"が好きなわけでしょ?あたしのタイプの顔が航輝だったら良かったわけ?」
言いすぎたと思った時にはいつも遅い。
この性格と顔で、何度友達をなくしたか。
「可愛いからって調子こいてんじゃねーよ。」
最後に言われる捨て台詞はいつも同じ。
見た目は関係ないのに。
それでもあたしは言いたいことをズバッと何も考えず言ってしまうこの性格を直せない。
男とも簡単に付き合うし、よってくる男も多いから、女友達はあまりいい印象を持たない。
魔性の女。見た目超美人でも、中身は悪魔みたいな女。
そう思われるのにはなれてる。