「「キミが…」」 (由佳&和樹)
霧島 由佳
「せーんせぇー♪」
今日も大好きな先生のいる理科室に来た。
「テスト期間だろ。帰って勉強しろ」
「先生ー理科わかりませーん。意味不明理解不能」
そぅ言うと先生は優しいからいつもため息を付きながら近づき、教えてくれるんだ。
「どこ…」
「ここー意味分かんない…」
「あぁモル濃度か…」
後ろから見ている先生のいる“感覚”にドキッとするのは先生が好きだから。
何となく理解でき、先生は自分の仕事をする。
「先生何してるの?」
近づこうとしたら、先生は下に指差して、
「この線から入ったら霧島追試な」
「え";;」
ただでさえ頭が悪いのに追試は嫌だ;;
おとなしく下がると先生は笑った。
「先生ぇー?」
「……何だ」
何よ。その間。
あたしが何を言いたかったのか分かるような間。
「先生が好き……」
あたしは毎回ちゃんと心込めて告白してるよ。
ちゃんと聞いてよ………。
嫌よ。
軽く流さないで―――…
「毎回言ってるだろ―…」
あぁまた同じ。
何で先生はそんな無表情であたしの告白断れるのよ。