愛が呼んだもの
洋樹も負けじと反論してくる。

「だって!ケータイのことでいつも怒られてて!!親がケータイ没収するって…」

「バイトしてまでパケ代稼ごうって気持ちはないの?」

愛が足りなくね?そう付け足そうと思ったら、洋樹はもう泣いていた。

弱くね?もう負けてんじゃんよ。

けど、アタシの愚痴は収まらない。

「そのくせ自分は【腹下したー】なんてどーでもいいメールばっか送ってきてさー。」

「どーでもいいですって!ヒドイ!!」

「しかもさ!!あの、小説のとき…!」

-回想スタート-

(見てみてっ、洋樹!賞に入ったー!)

(へー、スゲー。いつのまにこんなん送ってたの。)

(えへへっ、見る!?)

………。

(どお?)

(…えー、なんかこれ【ご都合主義】っぽい。)

(………。)

-回想終了-

「心狭くね?」

「称えこそすれ、なんでこんなのが入賞してんだ?くらいの言い方しやがりましたよね?」

「イヤ!イヤ!だって!優紀ちゃんの書く文章ってそーいうとこあるよー!」

「なんだと?」

まだ言うかこのやろう。

「ホラ、こないだ見た映画だってー。え、なんでそこで二人がくっついちゃうの!?みたいな。」

「んで、相手も実は好きでしたー、って?そんな馬鹿な。」

「…。」

「人生そんなに甘くないでしょー。」

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