愛が呼んだもの

「まーなんていうかアレだね。あなたの場合。」

「経験不足?ははっ。」

鼻で笑ったな?

おい、鼻で。

「お前がそれを言うかー?」

むかついたから、ほっぺたを伸ばしてやった。

「ずびばぜん゛。」

何喋ってるか、わかんねえっつーの!

「ふーんだ!いいんだもんねーっ!これからそーゆーのいっぱい経験するんだもん。」

「「………。」」

「…頑張ってね、優紀ちゃん。」

「…うん。」

驚いた、ビックリして、涙が出そうだった。

洋樹も頑張ってね、なんかいえなかった。

「おわーっ!海だあ!」

いつの間にかついてて、アタシたちは電車を降りた。

「川だー!」

「滝だー!」

沢山の自然があって、楽しくって、つい叫んだ。

「よーし!優紀ちゃん、ここは恋人らしく川辺でかけっこでもしようか。」

「ええー…。」

なにそのベタな、空想。

しかも普通、海だろ。

「水あそびしたいなら、アンタ一人であの滝に打たれてきなよ。」

「ノーッ!優紀ちゃんそんなにオレのこと嫌い!?」

「「あはははは!!」」

たぶん、アタシはきっと、洋樹のこーゆとこが好きになったんだ。
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