愛が呼んだもの
大好きだった、洋樹が大好きだったよ。

13歳で始まった恋。

アタシはうかつにも

その恋が永遠に続くものだと思っていた。

そんなハッピーエンドを願っていた。

-ご都合主義-

…あはは。

ホントにね。

電車に揺られて、一人で家に向かっているアタシ。

隣には明るい女の子が座っていて、洋樹じゃなかった。

…帰ったら何しよう。

「おねえちゃん。」

女の子の声が聞こえた。

さっきの明るい子だ。

アタシを呼んでるの?

「これ、あげる。」

えへっ、と女の子は笑って飴をさしだした。

その飴は可愛くて、女の子みたいだった。

「あ、ありがとう。」

かわいー…。

もらった飴を握って嬉しさをかみ締めた。

そうだっ!

このことを誰かに報告しなきゃ!

アタシは携帯をとりだした。
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