愛が呼んだもの
佐々木優紀。

18歳。

もうすぐこの池原洋樹とつき合って6年になります。

高校3年、3月。

中学校から高校にかけてアタシたちはずーっと一緒だった。

別れたことなんて一度もなかった。

だけど、

4月からは別々の大学に進む。

「このCDは?優紀ちゃんのだっけ?」

「それ、洋樹のだよ。」

「あー…、知らね。」

なんで覚えてないのよ。

-アタシたち二人は

この春 別れを決めました-

「そーいや洋樹、Tシャツも置いてたよね。あっ、パンツまで!」

「アゲル☆記念にね。」

「いらねー。」

こんな話が普通に出来たりするぐらいだから、嫌いになったわけではないけどね。

「あ、洋樹から貰ったこのネックレスとかは、ちゃんと残しておくからね。」

「うん、そーして。」

隣から、洋樹の情けない声が聞こえる。
え、返されたりしたらオレ泣いちゃうって…。馬鹿だなあ。

「お願いだから、ある日オークションでどっかで見たようなアクセサリーが…。ってオチはやめてね。」

「だ、大丈夫だよ。」

「1円からとか、やめてね…」

「売り飛ばしたりしないから。」

なんて言うんだろう。

アレですよ。

発展的解消、ってカンジのやつ。




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