愛が呼んだもの
洋樹だった。

「ま、さ。そーいうことだから、思いっきり楽しもうな。」

「おー!」

盛り上がって、洋樹は帰った。

(アタシたち、このままで大丈夫かな。)

(分からない。大丈夫だって言い切る自信はない。)

(ただ)(優紀ちゃんと変な感じにこじれて終わるのはイヤだ。)

あのとき。

いつもおちゃらけてる洋樹の目が真剣で、驚いた。

(それなら、もう、アタシたち別れよう。)

決意が出来たのは、本気だと分かったから。

洋樹が本気だって知ったから。

だから…。

友達のまま、長く好きでいることを選んだんだ。

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