執事と私の8ヵ条。
目の前に立つ大翔さんは、1年前となんら変わりない、優しい表情をしていた。

「なんで…ここに…。」

「…覚えていますか?

結衣様が大学の価値を決めるのは自分だ、と言ったことを。

あれから…私は母の看病をしながら、必死に勉強しました。

妹よりも偏差値の低い学校かもしれません。

ですが…私にとっては、どんなに偏差値の高い学校よりも、ずっとずっと価値のある学校です。

だって…。」

< 121 / 132 >

この作品をシェア

pagetop