執事と私の8ヵ条。
それを強い力で止められて、私は大翔さんの腕の中。

この前とは違う。顔が近い。すぐ近くに大翔さんの顔があって、大翔さんの目に映る私が見えるくらいだった。

「やめてくださいっ…!」

「結衣様、涙を見せることは、恥ずかしいことではありませんよ。」

「いやだよ…。涙なんか…見ないでよ…。」

大翔さんは抵抗する私を更に力強く抱き締め、優しく涙を拭ってくれた。

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