ナンパもほどほどに
「あっ、こっち見た!!」
ニヤニヤ笑って大袈裟に言う
「おーい!!
ねぇちゃ~ん♪」
周りの客の白い眼にも動じず、手を振る
気付いているが、ヤンキー男を付け上がらせないためにも半ばシカトを決め込んでいた
いい加減もう、やめてくれよー
願い虚しく、止まらないヤンキー男
ウインクするわ、投げキッス(いつの時代だよ……)するわ、ドン引きしている私と客を尻目に一人盛り上がっている
さすがにいたたまれなくなった私は、男友達に言った
「もう出た方がイイかなぁー?」
「…いや~、今出たら奴らついて来そうじゃね?!」
「…………確かに。」
「てか、俺いるんだしさ~、いちお男いるし!とか思ってやめねーかな?!」
「………うーん。だと良いけど…」
「じゃあ、いちおカレカノっぽくしてみるか?」
「ハァー
…だね。」