ナンパもほどほどに



あの時のように、ぺらぺら喋る口元をしばらく見ていたが、欝陶しくなってあたしはついに口を開いた


「……あのさ、」


「えっ?!なになに?」
調子づいた男は顔色を明るくさせた



「あんた……
一ヶ月前もあたしにナンパしてたよ?」
呆れた顔で冷たく言い放つと、そそくさとその場を立ち去った



いい加減ショックを受けてるだろう



いかに自分がモテないか、指摘されたようなもんだ




―――その時、後ろから声がした




「ねぇ!待って!!」

駆け寄る兄ちゃん





「………てことはさ、

もしや俺ら運命~?!♪♪」








目を輝かせている目の前の男を見て、


本物のアホっているんだなぁーと、気の毒に思った












【END】









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