友情ループ
新しい私
初めて
「沢本 玲です。よろしくお願いします。」
頭を下げると聞こえてくる拍手の中に、何か私を激励してくれているような、そんな声が聞こえた。
ボサボサに分けていた髪は、ツヤツヤでサラサラのストレートヘアーに変わり、生えまくっていた邪魔な眉毛は全部綺麗に整えて、大きなレンズがはめこまれていた地味な眼鏡を外して、頑張って練習したナチュラルメイクで、長かったスカートは膝丈まで上げた。
これが、ずっとなりたかった私──。
私は、超名門と噂の女子高に入学した。
私をいじめていた人達と離れるために……。あの人達は、受験寸前までのんきに遊んでは、学校で私をいじめていた。
私は、死ぬ気で毎日毎日頑張って、生まれ変わることができた。
ここの人達なら前の私を知らないから、新しい私を何の疑いもなく受け入れてくれるはずだ。