忘れないで
────次の日。
ピンポーン
ガチャ
「あ!波留!」
「…おはよ」
「おはよう」
しゅんは朝から元気。
俺は夜中までしゅんのこと考えてたから今日の朝はキツかった…。
「ん。乗って」
「……はい」
しゅんは俺の腰を抱き締めた。昨日まで恥ずかしがってたのに、もう慣れたんだな。
「波留はさ………彼女とかいるの?」
「カノ女?いねーよ。」
思わず吹き出した。
しゅんのことが好きなのにカノ女なんているわけねーじゃん。
それに俺、カノ女作んないタイプだし!
「…そーなんだ?」
しゅんはちょっと驚いてた。
────俺そんなにカノ女いるように見える?
まじいないからね?
「じゃあしゅんはどうなの?彼氏いんの?」
ずっと気になってたことをさりげなく聞いてみた。
「あたしはー…いないよ」
「なーんだ」
ってゆったけど本心はホッとしてた。
しゅんに彼氏いなくてよかった────って。