忘れないで
俺は
しばらくしゅんと話していた。
何歳?とか
どこから来たの?とか。

「あたしは16歳。千葉から来たの。…波留は?」


「俺も16歳!!」
奇遇にも同い年だった。
まだなりたての高校生。

そして……
「俺も千葉から来ました!!」

なんて偶然…。
しゅんは驚いた顔してた。

俺は初めて千葉で生まれたことに感謝した。

「うそ……」

しゅんはちょっと嬉しそうな顔した。

「あたし昨日までここに住んでたの。だから明日から千葉の高校に通うんだよ」
「なに高校…?」
俺はどうかしゅんと一緒の高校でありますようにと願った。

「北…高校?かなあ」
「北かあ………」

残念。
俺はもう少しレベルの高い北高の近くにある千葉高校だった。

「なんだ…高校は違うのかあ…」
しゅんは悲しい顔した。
なんだか…俺まで悲しくなってきた。

「高校違うけど、北って俺の高校と近い!!」
「そーなの!?」
しゅんはまた、ちょっとうれしそうだった。




しゅんの声と表情は魅力的。俺はどんどんしゅんがすきになる。







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