忘れないで
────プルルル
俺のケータイが鳴った。
「はい?」
《波留??しゅんだよ♪》
大好きなしゅんからの電話だった。
「しゅん…!!」
聞きたかった声、
「今どこにいんの?」
《今は千葉公園の前だよ。
あたし歩いて学校行こうかなあって思って。》
「迎え行く!!」
俺はすぐに電話を切ってしゅんがいる千葉公園に猛スピードで向かった。
「あ、波留!」
「しゅん…」
会いたくて…会いたくて…やっと会えてうれしかった。
「北高まで乗してってやる!!」
俺の自転車の後ろにしゅんを乗せてゆっくりとペダルをこいだ。
しゅんの手が俺の背中に触れてなんかくすぐったい。
「波留〜…なんか落ちそうで怖いよう…」
「じゃあここ持ってていーよ。」
俺はしゅんの手をつかんで俺の腰をつかませた。
「え……はずかしい…」
「大丈夫。」
ずーっとこうしていたいって思った。でも北高はもう目の前。
「いってらっしゃい」
「いってきまあ〜す!!」
笑顔のしゅん。
今頃だけど、北高受けときゃよかったな、なんて後悔してる。
そしたら毎日しゅんに会えたのに…。
もっと近くにいられたのに。
俺はとりあえずしゅんにメールした。
『帰り、迎えに行くから門にいて。』
俺は自分の高校についたときケータイを開いた。
『わかった。待ってる』
───早く迎えに行きたいなあ。