ちょこ娘
ドキドキ…

私のドキドキは止まらなかった。

すると男子が、口を開いた。
「お前、名前は?」

はぁ?お前呼ばわり??

私は、少しムッとして答えた。
「天宮 智世子だけど…。」

「あっそ。」
そう言って、男子は前を向いてしまった。

あ゛?何ソレ?
それだけ?
私のドキドキは、なんだったの!?
ってかお前の名前はなんなんだよ。

負けず嫌いな私は、男子にこう言った。
「あんたの名前は?」

すると男子は、少し戸惑っていた。

はぁ?何で戸惑ってんの?

私は苛立ちながら、もう一度聞いた。
「名を名乗れよ。」

この言葉に男子は…
「ぶっ」

…え?


…ぶ?


「名を名乗れとかウケるんだけど!!」
男子はそう言いながら、ガハハと笑っていた。

私はまた、目を丸くしていた。


「そこ!うるさいぞー!!」
先生に注意されてしまった。

「すいませんでしたぁ…」
私と男子はボソッと言った。

そして、私と男子は目を合わせた。

男子はニカッと笑って、小声で言った。
「俺、一ノ瀬 陸。よろしくな!」

「…よろしく。」



これが私とあなたの出会い。

私はこの時、気にすればよかったんだ……。
なぜ、あなたが名前を言うのに戸惑ったことをー‥‥

気にすればよかったんだ……。
なぜ、あなたが私をずーっと見ていたことをー‥‥


でも、もう遅いよね。

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