好き?嫌い?
 気がつくと私の頬には涙がつたっていた。


 「どうした?お腹痛いのか?気分悪いのか?やな事あったのか?」


 「べっ、別に・・・」



 ワタルは心配してくれている。・・・でも、今の私にはそのワタルの優しさが一番辛いんだよ・・・


 「・・・や」



 「や?」



 「優しさだけで私にかまわないで!」



 「ハッ?お前なんかおかしいぞ!何があったんだ!?」



 「だから・・・優しさだけで私にかまわないで!」



 「何で?」


 「変な期待しちゃうじゃん・・・」


 「期待?ってかさっきから何のこと言ってんの?」


 「だーーーかーーらーー!」



 もう自分でもとめられないくらいやけくそになっていた。




 「私はワタルの事が好きなの!で、利用されたって言われたから泣いたの!その時に心配されても!今の私にはワタルの優しさが一番辛いの!って言ってんの!」


 ハッ!しまった。全部言っちゃったよ・・・

 
 気づいた時にはもう遅く、目の前でポカーンとしているワタルが目に入った。


 「ちょっ、嘘だろ?」


 嘘ってヒド・・・でも、今更「嘘だよ~」とヵ言えないし・・・




 「ほ、ほん・・・とだよ////」
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