―雪女郎―  風鈴
「幸せ?殺されることが幸せ・・・」







「風鈴姐さんは!死にたくなんかなかった。姐さんは何も分かってない。だから・・・そんなに平気な顔をしていれるんだ。」






その時、初めて凪雛が雪月の顔を見た。






「わっちが、何も分かってないだと?平気だと?」







「そうでありんす。」






雪月も負けじと、凪雛を睨んだ。






「わっちが、大事な妹を失って平気だっていうのか!」






凪雛は立って、雪月に詰め寄った。






「風鈴を一番分かっているのは、このわっちだ。なのに、わっちが平気だと?」






パシンッ






凪雛が、雪月の頬を殴った。







「凪雛・・・・・・」






呉葉が止めようと、立ち上がったが、それを女将が止めた。






しばらくした時が流れた。





雪月は、呻くように呟いた。






「風鈴姐さんの所に行かないと・・・」






そして、座敷を飛び出した。
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