―雪女郎―  風鈴
「わっちは、調べた。オマエを、地獄から解放するために・・・」







「最悪の情報を手に入れた。」







「金山総次郎が・・・雪月を探している、とのことだった。」








雪月は、顔を引きつらせた。







「金と権力を使い、吉原中を調べているところ、風鈴と出会った。」







「父さんが・・・風鈴姐さんと?」







凪雛は頷いた。







「アンタが、風鈴の禿となってからひと月ほど経ってからだ。わっちは驚いた。・・・こんな偶然があるのか、と。」








凪雛は、懐から煙管を取り出し、火をつけた。







「もちろん、すべては風鈴に伝えた。すると、風鈴から手紙が返ってきたんだ。」







白い封筒を取り出し、読み始めた。







以前、雪月が届けた手紙だ。

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