―雪女郎―  風鈴
第十一夜
そんな二人の様子を、静かに見つめている影があった。







「強くなった。」







女将は、窓辺に飾られた桃色の霞草を撫でた。







「風鈴、雪月は強くなりんした。アンタの、死から立ち直りんした。」








静かに夜風が吹き、簪がシャナリと鳴った。








「アンタの最後の願いは、聞き届けた。」










桃色の霞草の花ことば








        『切なる願い』









風鈴の願い







一心に願ったもの・・・







それは、今・・・美しく輝き始めた。
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