もう一度、笑って。-空になれたら-



キーン、コーン……

―ガラガラ!!

チャイムと同時に担任の先生が入って来る。
「じゃあホームルーム始めるぞー…咲坂ぁ!お前は何しとるんじゃあ!!」

「ほぇ?」
思わずマヌケな声を出してしまった…。
「あはは――」
教室中の笑い者。

それもそのはず、あの後からずっと早希に話し続けていたあたし。
楽しい話の分、3分は勿論あっという間で――

「廊下に立っとれ!!」

「えぇー。嫌だー!!何で皆言ってくれないのー?!」

頬を膨らませるあたしに、一人の女子が背後から一言…
「皆必死に声かけてたケドずっと話してるんだもの。あなた」
「?」

聞き覚えの無い声に、首を傾けながらも、思いっきり首を回し反論しようとしたあたしは――
「だからって…!!…誰?」
目を丸くした。

目の前には知らない女の子が立っている。
   ホンジョウ
「おぉ!本上、やっと来たか」
本上…?
「遅れました…」

「皆、今日からこのクラスの一員になる、本上美咲(ミサキ)だ。本上、何か一言」

「…ヨロシク…」

とっても美人な、明らか頭良さそうなカンジで、髪を横で一つにくくった女の子だった。
凄く大人っぽい…。

―春下旬、あたしと早希は謎の少女、美咲に出会いました…。


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