☆最凶彼氏★


そして、校門の前に着くと、色んな人が私達を見た。


コソコソ話しながら。


気分悪いな。
言いたい事あるなら言えば言いのに。
と、見てくる人達を睨みつけていると涼宮は悪魔の笑みを浮かべた。


「な、何??」


「お前さ、俺がどういう人間だか、知ってる?」

そりゃもう、
…………あれ?

あんまり思いつかない?


「あ、1年前に事件を起こした……とか?」


私がそう口にした瞬間。
さっきまでコソコソとこちらを見ていた人達の顔色が変わり、シーンと沈黙した。


あれ?私何かマズい事言った……?

私が恐る恐る涼宮の顔を見上げると、
一瞬、本当に一瞬だったが、悲しい顔をしているように見えた。

けど、私が見ているのに気づくと、涼宮はまた意地悪な笑みに戻って……


「そ。よく知ってんじゃん」


と、私におどけてみせた。


さっきの顔は何だったんだろう?
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