その瞳に…魅せられて。







ルアンを引き寄せ、頭を撫ぜるジキル。


ゼルはジキルが大声を
出した事に驚いていた。


冷静沈着。その言葉が相応しいジキルが…
大声を出すなんて…と。


「ん?どうした?ゼル?」

部屋から出てきたライターは
そうゼルに歩み寄った。


「え?あ…何でも無いの。
もうお皿洗い終わったわ。行こう。」

そう焦るようにエプロンを外すゼルを見て
ライターは眉間に皺を寄せる…。


ふと、キッチンから見えるのはジキルの姿。


有り得ない嫉妬心が湧き上がり…
握り拳を握った。


「おい!ライター、行く…?」

ライターに声をかけようとした
ラックスはその言葉を飲み込む…。


あんなに…怒りを露にする
ライターを見るのは…
何年ぶりだろう…と。

ラックスは小さなため息を吐いた。







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