その瞳に…魅せられて。







「余所見をするとは…
随分なご身分になりあがったものだ。
なぁ?……“化け物”。」

その武器が上がっていく方向を
見ていなくてもジキルには
その声の主が分かった。


憎しみが湧きあがる…。


「セイル・ボートっ!!」

そう大声で叫び、その方へ視線を向ける…。


黒い眼帯に…茶髪。
赤い繋ぎに…いくつものピアス。


自分よりも十は上の憎いアイツが…
目の前にいた。


「10年ぶりか?俺が17の時以来だな?」

「黙れ!!」

ジキルの目は憎しみと化し…
視線はきつくなっていく…。


そんなジキルに…セイルは笑って見せた。









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