その瞳に…魅せられて。
「ロイアスに入ったという事は、
両親の墓参りには
行っていないようだな?」
にやりと微笑む奴の笑み…。
ジキルは身の毛もよだつ感覚に拳を作った。
思い出されるのは…10年前、
7歳の誕生日の事だけ。
その時はまだ、人を信じていた。
…信じ切っていた。
目の前で…
こいつに、両親を殺されるまでは…。
「貴様ぁ!!!!」
そうジキルは能力で武器を取り出した。
「相当、憎まれているようだな?
やはり、お前の住む世界は此処ではない。
此処は人間界。お前らのような
下等種族が生きていけるはずが無い。」
ため息混じりに言うセイル…に
ジキルが怒鳴り声を上げる…。
「その言葉…もう一度口にしてみるがいい。
貴様をあの世に送ってやる!!」
「今のお前なら、それが可能だろうな。
能力でなら一瞬だ。何故、戦おうとする?」
ジキルに微笑を見せたままで。
セイルは棒を振り回していた。