その瞳に…魅せられて。
だが…何度、武器同士が触れ合っても…
ジキルはセイルに攻撃されたら…受けるだけ。
憎しんでいる奴の首を
跳ねる事なんて…容易い。
だが…ジキルは自分から
攻撃をする事は無かった。
「何も変わっていないな。お前は。
人を殺す勇気も無いか。」
そう武器を先に引いたのはセイル。
ジキルはいつもの冷静さを取り戻していた。
上着を血で染めていても…表情を変えない。
ジキルは能力で武器を消すと…
ルアンに歩み寄った。
そっと抱き上げ、立ち上がらせる…。
「…人を殺すのが、それほど偉いのか?」
セイルに背を向けたまま…
いつもの冷めた声を発するジキル。
セイルは顔を顰めた。