その瞳に…魅せられて。
「人を殺せた。…それだけで
人の成長を計れるとでも思っているのか?」
そうジキルは落ち着いた様子で言った。
「何が言いたい?」
眉間に皺を寄せるセイル。
「言葉通りの事だ。」
冷めた視線をセイルに向け、
その手は優しくルアンを撫でる…。
「貴様も、10年前の青二才のままだ。」
ジキルはそうはっきりとした
口調で声を発した。
「人を見極める能力も、礼儀も。
全てなってない。貴様は猿以下だ。」
「…言ってくれるではないか。小僧」
セイルはジキルの言葉に
怒りを抑えた声でそう返答する…。
「…貴様は、弟を見習え。」
そっと振り返ったジキル…
その首を片手で鷲掴みにする
セイルのこめかみは……
…血管が浮いていた。