その瞳に…魅せられて。
男の眉間から刀を抜いたジキルは
その男の服で血を拭い…
短刀を腰に挿しなおした。
「…この街の人間は…全て、殺せ」
そう立ち上がって歩き始めたジキルを…
「待てよ!」
ラックスが止める。
「お前…
何、言ってんのか…分かってっか?
罪のねぇ街人は、どーすんだ!」
眉間に皺を寄せて、
声を出すラックス。
ジキルは無表情のまま…
ラックスに目を向けた。
「…全て…
お前の言った通りだ。」
そんな言葉を吐いたジキルに…
「あ?」と、目を細めるラックス。
「俺は、人間ではない。
魔獣を操り、自分の能力を使う。
足を使わず、空を移動する“化け物”だ。」
そんな言葉に言葉を失う2人…。
「そんな俺が…」
そうジキルはまた、背を向けた。