その瞳に…魅せられて。
「傷ついたのは…貴様だけではない。」
そのジキルの言葉に…ぴたりと止まった
セイルの動き…。
ジキルはさらに言葉を続けた。
「貴様の傷を癒す為に人を殺めるのか?
貴様こそ…良い御身分ではないか。」
静まり返る車内…。
ルアンは涙でワンピースを濡らしていた。
「成長していないのは…やはりお前だ。」
「くっ…黙れ!」
悲痛な叫び声が響き…、
ジキルはまた鼻で笑う……。
「何故、貴様一人の為に…
他の人もまた傷つかなければならない?
その辛さを……、
一番分かっているのはお前だろう。
自分の受けた傷よりも深い傷を…
何故、他人に浴びせる?」