その瞳に…魅せられて。








「噛むな。血が出る…」

そうルアンに近づき、
ルアンの指を撫でたジキル。


ルアンの頬にも…真っ赤な血がついた。


「さっき言った意味を…理解しただろうな?」

そっと冷めた声を発するジキル…
ルアンは顔をジキルに向けた。


「俺以外の男に、触れさすな。」

そういつものように頭を撫ぜるジキルに
ルアンの涙は止め処なく流れる…。

立ち上がったジキルに寄り添うルアン。


その体は出口へ向かっていた…。


黙って歩く2人を見ながら…
4人はそれぞれ…違う思いを胸に秘めていた。








違う思いを……。











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