その瞳に…魅せられて。
「…人間を助ける必要はない。」
そうまた歩き出したジキル…。
その背には…
肩翼、一メートル以上もある翼が
悲しそうに身を縮めていた。
「ラックス…。」
ジキルの背を見つめたまま…
ライターがそう声を発する。
「…あ?」
「軽率な行動、思考は…止めろよ?」
返事をしたラックスに釘を刺すと…
ライターもゆっくりと歩き始めた…。
「あぁってんだよ。ばぁーろー…」
ポケットに手を突っ込んで呟くラックス。
(俺も、そこまで“ばか”じゃぁねぇ)
ひとつため息を吐いて…ラックスは
ライターを追ったのだった。