その瞳に…魅せられて。







パチンッ!



乾いた音が…部屋に鳴り響く…。


ライターはゼルに左頬を見せる形で
立ち尽くしていた。


「…同じ…気持ちだと、思って…た。
私っ…同、じ…気持ちだ…って」

震えるゼルの声…。


ライターはゼルに視線を
向けようとはしなかった。


「そんな風に…信用…。
されて…無かったんだね。」

頬に伝う一筋の涙を拭い…
ゼルは自分の部屋へと入っていく…。



ライターは…それすら。
止めなかった。



ばたんっ!という音が…
虚しく部屋に響き渡ると同時に。


ラックスはライターの胸倉を掴んでいた。










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